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愛される園舎のつくりかた
学校法人 あすなろ学園
園庭、中庭、お遊戯室、
トンネル……。
遊べる場所がいくらでも
見つかるね。
保育室への出入り口でもある中庭側のサッシは、全て開け放つことが可能です。したがって、サッシを開けると、庇の張り出した半屋外の廊下を介して、青々とした芝生の茂る中庭と室内がつながります。保育室同士も中庭を介して向かいあいますから、どこにいても人の気配を感じられるつくりです。
さらにこの中庭には、園庭側から階段を上り、建物の中のトンネルをくぐり抜けて2階部分から下りてくるすべり台や、園舎の屋上へと折れ曲がりながらつながる大階段も設けられています。行き止まりのない外廊下をぐるぐるとかけっこしたり、建物の中を抜けるトンネルから職員室の先生に手を振って、すべり台を下ったり。大人仕様の階段も、ただ上り下りするだけではなく、釣り糸を垂らして“ごっこ”遊びをしたりと、じつに独創的に使いこなしているようです。「大階段は危ないんじゃないか、と思う方もいるかもしれない。でも、開園以来事故は一件もありません。自分の身体能力に合わせて、少しずつ学んでいくんですよ」。
外壁は金属サイディングのシルバー、内装は主に木。子どもっぽいカラフルさはあえて排除しているにも関わらず、子どもたちの創造力が、豊かに園を彩っているようです。
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左/中庭側の出口がこのすべり台。子どもたちは小さな探検をするような気分で遊んでいるようです。右/40年以上前からここで運営してきた〈あすなろ幼稚園〉。シンボルである三角屋根を、園児用のエントランスに用いました。
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園庭には既成の遊具に混じって手づくりの遊具も置かれています。急な傾斜を駆けのぼったり、好きなお絵描きをしたり。自分たちで遊び方を発明して楽しんでいるようです。
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約10m四方、天井の高さは5.1mと広々とした遊戯室。オープンキッチンは皆が集うきっかけにもなります。右側が中庭、左が園庭。
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理事長の坂本佳一先生と、奥様で職員の坂本まさよ先生。
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