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愛される園舎のつくりかた

小迎保育園 

傾斜する地形を利用した

海へひらかれた保育園

 木造にはこだわりつつも耐震 ・ 耐火性能を確保するため、建物には、KES構法を採用しました。柱や梁の接合部にスチールの金具を用いるKES構法は、その安全性やデザインの自由度で知られる構造。小迎保育園の柱・梁には、すべて国産のカラマツを使いました。さらに壁と天井にはシナ材、床にもフローリングを用いたほか、建物の中と園庭とをつなぐ、幅の広いデッキテラスの床や天井にも木材を使っています。木の柔らかさは、目はもちろん、手や足の感触を通じても子どもたちに伝わっていくことでしょう。

 自然という何よりの恵みをいっぱいに享受できる安全な“巣箱”のなかで展開する、開放的なプランニングと、五感の成長を促す建物。子どもたちは、それぞれに自由な好奇心を発揮し、自発性を養いながら、巣立ちの時までのひとときを過ごしているようです。

耐震・耐火性能に優れたKES構法を採用。天井高4.5mのランチルームには開閉式のトップライトからも光が入ります。

園の玄関を入ってすぐのスペースに、什器でスペースを区切った図書コーナーを設けました。ブラウンの壁が、落ち着きのある雰囲気ながら、デッキテラス側の大きな窓からたっぷりとした光が注ぎます。家具や什器を上手に配置していくことで、ゾーンを区切ることは可能です。

天井や壁材にも国産の合板を利用した、木に包まれるような内部。素足に、木の優しさが伝わります。写真奥は、3〜5歳児の保育室。背の低い什器で空間が区切られており、子どもたちは興味のある活動のゾーンで各々の遊びや学びに没頭します。

谷口剛園長と子どもたち。

社会福祉法人 栄昭福祉会

小迎保育園 

所在地:長崎県西海市西彼町小迎郷2734-1
構造:木造
階数:地上1階建

愛される園舎のつくり方[幼児の城6] 

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