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笑顔がいっぱいの園舎づくり

HK Kindergarten and Nursery

” It is children who need experience of genuine things “

子どものための場所こそ、本物であることが大切だと思います。

「明るい! ちょっと固定観念をひっくり返すような空間ね」そう言ってスザンヌさんが立ち止まったのは2階にある子どもたちのトイレ。建物の南西側、太陽の降り注ぐテラスにむけて大きな窓のあるトイレは、自然の光も風も入ってくる気持ちのいい空間です。従来北側に置かれることの多かったトイレを、積極的に南側の自然光の入る場所に配置するのは、「幼児の城」が多くの園で提案してきたこと。明るく開放的な空間とすることで子どもたちが行くのが楽しい場所になるのはもとより、紫外線による滅菌作用も期待されるのです。

さらにスザンヌさんが、階段脇につくられた小部屋へと入っていきます。ロフト形式で隠れ家のようなここは子どもたちの遊び場。床の一部がガラス張りになっていて下を通る人が見えたり、カウンターがついていてお店屋さんごっこができたり、遊び心いっぱいの空間です。こういった子どもサイズの空間は、運用者側の立場だけから見れば死角かもしれません。でも子どもたちが自由に遊びを発明したり、少し身を隠して落ち着いた時間を過ごせたりするこういった場は、幼児施設を豊かにしてくれるのではないでしょうか。「幼児の城」が手がける園舎の多くで、階段下などのちょっとしたスペースを利用して、こういった遊び場を設けているのはそんな理由からです。

「子どもたちの顔が本当に生き生きとしていて幸せそう。かつ、自立心があると感じます。日本の幼児教育のレベルの高さ、それを建築が助けていることを実感しますね」

スザンヌさんがオーナーを務める園があるオランダやドイツでも、少子化が進む社会状況は日本と同じ。幼児施設をめぐる状況に疑問を持ったことから、園を始めたのだといいます。

「子どもを寝かせるときに、ケージつきのベッドに入れることが法律で決まっていたりするんです。鳥かごみたいでとても我慢ができなかった」

子どもたちにさまざまな経験をしてほしいという思いから、スザンヌさんの園には、大人用さながらのシアタールームやP Cルーム、レストランなどが設けられているといいます。

「最近ではテイクアウトできるデリをつけて、お迎えに来た保護者の方がおかずを買っていけるようにもしています。働きながら子育てする人々の大変さはヨーロッパも同じ。単なる幼児施設だけに留まらない、子育てが楽しくなるような場所だといいですよね」

さてスザンヌさん、初めて見た日本の幼児施設はどうですか?

「セキュリティの問題、建築の安全面の問題など、特に先進国ならば、幼児施設はどこも似通った課題を抱えていると思います。私は多くの国で幼児施設を見てきましたが、ここを見て、日本の幼児施設はソフトとハードの両面で群を抜いているなと感じました。

HZ Kindergarten and Nursery

定員:120名
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上2階建

もっと詳しく知りたい方は書籍より!